Google独自の新しいOSであるFuchsiaをビルドする方法です。FuchsiaはLinuxカーネルの代替ともなるOSで、組み込みに使いにくいGPLでなくBSDやMIT、Apache2ライセンスで頒布されています。
ビルドは非常に簡単です。AndroidやChromeOSのビルドより圧倒的に楽です。
必要なもの
- x86_64のCPUで動いてるLinux環境(どのディストロでも可能)
Macでも可能らしいですが持ってないので解説できません。Windowsでは不可能です。(そもそもWindowsはこんなことやるOSではないけど…)
この記事読んでビルドしようとするような方なら実機Linux or Mac環境くらいあると思われるのでそれを使ってください。
- 時間と翻訳ソフトを使う能力
ビルドにはかなり時間がかかります。またFuchsiaは発展途上なので日本語での情報はほとんどありません。
いざビルド
Step1
ビルドに必要なパッケージを入れます
- curl
- unzip
- git
- go
- Build Essential (OpenSUSEの場合は
sudo zypper install --type pattern devel_basis
で入る) - kvm
Step2
Fuchsiaのソースコードを持ってきます
curl -s "https://fuchsia.googlesource.com/fuchsia/+/HEAD/scripts/bootstrap?format=TEXT" | base64 --decode | bash
Step3
ビルドの準備
export PATH="[先程のコマンドを実行した場所]/.jiri_root/bin:$PATH"
cd fuchsia
ビルドに必要なツールのパスを通しFuchsiaのソースコードが入ったディレクトリへ移ります。export PATH="[先程のコマンドを実行した場所]/.jiri_root/bin:$PATH"
は.bashrcに追加しときましょう。
Step4
ターゲットを決めビルドします。
Fuchsiaはまだ開発中のOSなのでPixel bookなどの限られたハードでしか動きません。今回はエミュレータで動かそうと思います。(残念ながらラズパイでは動かないそうです…)
ビルド自体はコマンド一行です。CPUは100%に張り付くので不要なソフトは終了しましょう。時間がかかるのでゲームでもして気長に待ちましょう。香川県民の方は知りません()
fx set workstation.x64 --release
fx build
Step5
待ちに待った起動の時間です。と言いたいところですが初回は少し準備が必要です。
KVMの有効化をします。
sudo usermod -a -G kvm ${USER}
このコマンドを実行したら再ログインします。
起動!!!
fx vdl start --software-gpu
上手く行けばこんな感じで起動します。