開発環境をLinuxデスクトップからMac Mini (M2)に乗り換えてみた

Posted on Feb 24, 2024

メイン機が古くなりAM5で組むかM2 Miniを買うかで迷いMacに手を出してみたnexryaiです。
一通りセットアップしたので現段階でのレビューを書いていこうと思います。

性能

さすがAppleといった感じで申し分ない性能です。JetBrainsの激重IDEも高速で起動します。
内臓のSSDも十分高速ですが容量を増やすと費用がかなり高くなるのでThuderboltなりで外付けドライブがあると良さそうです。

WiFi

WiFi6E対応なので爆速で通信できます。レイテンシーも十分低いのでWiFi6対応APがある場合はわざわざ配線する必要はなさそうです。

OS

Macなので当然MacOSが入っている訳ですが人生で初めてMacOSに触ってみた感想です。

起動が早い

まず本体の起動が爆速です。電源ボタンを押してディスプレイが信号を認識して画面が映る頃にはもうログイン画面になっています。Appleロゴの起動画面を目にするのがアップデートの間と初回起動くらいです。本体のSSDの読み込み速度やMacOS自体の起動速度が早いのもあると思いますが、一般的なPCでのUEFIの起動チェックや待機時間に相当する時間が短いのが大きいと思います。

フォントが綺麗

Windowsのあのゴミのような伝統的なフォントレンダリングは一体なんだったんだといった感じです。ブラウジングしててもIDEで開発していても「綺麗だな」と思うくらい差があります。
フォント設定の違いだと思いますが今まで使ってたLinuxデスクトップ(Wayland + Gnome)と比べても綺麗な気がします。

操作が独特

デフォルト設定はかなり独特で不慣れな私には正直使いにくい感じでしたが、設定の調整とKarabiner-ElementsでだいぶWindowsに近い感覚で使えます。
この辺のセットアップはまたいつか備忘録としてブログに残しとく予定です。

スケーリング周りが残念

残念なことにMacOSは初期状態だと分数スケーリングに対応していません。WQHDのディスプレイを愛用している私には非常に困った事態です。
Linuxでも散々困った分数スケーリングですがMacOSにもなんとかする方法がいくつかあります。

  • 4Kで出力して2倍にスケーリングしてWQHDで表示する

    • この方法であれば外部のソフトなどは不要です。「設定→ディスプレイ」から「すべての解像度を表示する」にチェックを入れて「1920x1080 (HiDPI)」を選べばいい感じになります。
    • 基本的にこれで解決しますがこの方法には欠点があります。信号が4Kになるので4K60Hzに非対応な TypeC - HDMI アダプターやHDMIケーブルを使ってる場合、画面のフレームレートが30Hzになります。
  • BetterDisplayを使う

    • BetterDisplayというソフトを使うといい感じに分数スケーリング(?)できるようになります。非公式なハックなので少し不安が残りますが古いHDMIケーブルでもちゃんと動きます。
    • ただし有償ソフトでトライアル終了後は制限がかかるらしいです。

ウィジェット機能とか

GnomeやKDEのようにMacOSもGoogleアカウントと連携できます。カレンダーや連絡先がデスクトップのウィジェットと同期されてとても便利です。
CalDAVにも対応してるっぽいのでNextcloudとかでも使えると思います。

セキュリティ周り

WindowsやLinuxデスクトップよりも圧倒的にまともといった感じです。
FileVaultでフルディスク暗号化ができます。LinuxデスクトップのFDEの現状はかなり酷くて不満点の一つでしたがMacOSでは完全に解消しています。
またデスクトップアプリもちゃんとサンドボックス化されてるっぽいのも安心材料の1つといった感じでしょうか。

AppStore

AppStore自体はありますがアプリが全然ありません。多分Apple税や審査料金の関係だと思いますがFlathubの方が数倍豊富なくらいです。
わたしはアップデート等が一括でできてほしいのでなるべくアプリはアプリストアやソフトウェアリポジトリから入れたい派なんですが、これは少し残念でした。

開発体験

シェルがちゃんとZSHだったり改行コードがLFだったりと、ちょっと触ってみた感じではWindowsよりは圧倒的に上です。HomeBrewを使えばaptみたいなこともできます。
ただしLinuxではないのでGPGなどのセットアップはそれなりに手間がかかります。またGnomeデスクトップ(正確にはgnome-keyring?)のように鍵のパスワードを一時的に覚えてくれる機能なども多分ありません。
Gitに署名するときなどは1PasswordやYubiKeyを使った方が多分幸せになれると思います。恐らくGPGで原始的な鍵管理をするよりも安全です。

UI

アプリごとに統一感があっていい感じです。ブラーのエフェクトもめっちゃきれい。それ以外は特に言うことはありません。

ゲーム周り

  • PlayCoverというツールを使うとiOS用のゲームをネイティブで動かせるそうですが、アンチチートに引っかかってBANされるのが怖いのでまだ試していません。原神とかスターレイルとかメジャーなゲームなら問題なく動くとは思いますが自己責任といったところです。
    • 見た感じコントローラーの設定などがめんどくさそうな上に画質もどこまで設定できるか謎なので、これで快適にゲームができるかと言われると少し怪しい気もします。
    • 実際にスターレイルで使ってみた方のレビューお待ちしています。
  • ゲーム用にWindowsを用意するのもありですが切り替えがだいぶ面倒なので、ゲームはiPadなどのタブレットやXbox、PS5などのコンソールでやるようにするのがベストだと思います。
    • Windowsでしか動かないゲームをやりたいという人を除く
  • Steam Linkみたいなリモートツールを使うという選択肢もあると思いますがヘッドレスでやるのが面倒そう。
  • 最近のノートパソコンのSoC(特にAMDのAPU)のグラフィック性能はかなり上がってるのでWindowsノートパソコンがある人はそれでゲームをするというのも良い選択肢かも。ただし重量ゲームは動きません。

追記(2024/2/26): PlayCoverを試してみた

スターレイルで試してみました。

  • コントローラー自体は一応認識するものの、ゲーム起動→ゲーム内設定からコントローラーを選択→ゲームが勝手に再起動→ロードが終わってコントローラーが使える のような非常にめんどくさい感じになっておりあまり快適ではありません。
  • 画質というか描画のクオリティーは所詮タブレット用なので微妙です。不具合等は特になく遊べそうな感じでした。一応1440p設定にもできました。
  • M2無印ですが60fpsで快適とまでは行かないものの重いマップでも40~50fps以上は安定して出てるかなといった感じでした。性能は足りてそうです。
  • あくまでやってる事はMacOSの中でiOSの環境を再現しているだけで、別にアンチチートのバイパスやゲームのメモリに手を出してる訳ではないらしいのでこれが原因でBANされる可能性は低いと思います。が非公式ツールであることには変わりないので完全に安全とも言えません。
  • 3rdがMacに対応するらしいのでそのうちスタレや原神が公式対応する可能性もあるかも? miHoYoさんお願いします。

まとめ

以上がおおまかなセットアップしてちょっと触ってみた感じの感想でした。
実際に使い込んでみてのレビューもいつか書こうと思います。